狩猟採集民の食事
狩猟採集民の食事と農耕民の食事
狩猟採集民の食事はほとんどが採集によるものだ。
狩猟で男たちがご馳走を獲ってくる可能性はせいぜい月に数回あればいいほうらしい。
現代人の食事はというと、ほとんどの日本人は精白米は主食だろう。ヨーロッパでは小麦、アメリカではトウモロコシになる。
まぁ今では食生活もグローバル化していて、トウモロコシは家畜の主食であるようにも思えるが、農耕におけるトウモロコシの品種改良は革命的だった。
細かい話は飛ばす
重要なのは脂質だ。最強の食事という本をベースに考える。
(アフィではない)
学術書よりはかなり読みやすいが、翻訳書を普段読み慣れない人であれば難しいかもしれない。
だが結局この本で一貫しているのは脂質の重要性で、これ以外はオマケのようなものだ。
現代人では特に脂質のなかでもオメガ6脂肪酸が多く、オメガ3が不足している。
オメガ3は抗炎症、オメガ6は炎症を引き起こす。(どちらも必須脂肪酸なので不足してはならないが)
例えば原材料に「植物油脂」と書かれていればすべてオメガ6だ。
揚げ物のこめ油もオメガ6だし、サラダ油もそう。
オリーブオイルはオレイン酸というオメガ9でこれは良い。
オメガ3は魚に含まれるというのが一般的に言われるが、魚だけで賄うのは難しい。
しかし、ほとんどの食品に含有量が極めてすくなく、意識して摂らねばまず不足する。
また、DHAやEPAなどのサプリではなく、αリノレン酸の形で摂取するのが好ましい。
結局亜麻仁油かえごま油を単体で飲むという摂取方法が最も有効で早い。
独特の風味があるが、水に小さじ一杯浮かべて飲むだけでいいので楽だ。
サプリメントと思うといいかもしれない。
ちなみに最強の食事では牧草牛ならオメガ3を含む(野菜を食べた牛は野菜)と言っているが、通販で買うしかないので難しいしやや高い。
また、キャノーラ油をやめてオリーブオイルにすればオメガ6過多になる可能性は低い。
狩猟採集民とずれている?
確かに狩猟採集民のようにあらゆる植物からオメガ3脂肪酸を補給するのが理想形で、彼らは決して亜麻仁油を飲んでいるわけではないが、
ここは現代人の知恵を使うのが手っ取り早い。
狩猟採集民の肉体を持っていることを理解するのが原則なので、どちらかと言えば狩猟採集民が揚げ物を食べないことを考えたほうがいい。
ただ、揚げ物を我慢するわけではない。
時々食べる程度なら問題ないし、おいしいものは人生を豊かにするのも真実。
ただ、体に悪いものが必ずしもおいしいとは限らないのも同時に真実である。
炭水化物について
小麦よりは白米のほうが良質だそうだ。
しかし、アンチエイジング的な観点では炭水化物は一定時間摂らないほうが良い面もある。
間欠的な断食が推奨されており、16~18時間(睡眠中含む)は炭水化物を摂らないようにする。
大体夜8時に晩飯を食べると、翌日の昼2時まで炭水化物を食べない計算になる。
一方脂質やタンパク質は食べられるのでさほどきつさは感じない。
狩猟採集民も一日三食炭水化物を食べていたわけではなく、エネルギーの中心はむしろ脂質だったことを考えるとよい。
ちなみに脳も脂質でできており、ケトン体をエネルギー源にできる。
大量の糖質は狩猟採集民の体にとって悪影響なのだ。
狩猟採集民のように走る実験
月何キロ走る?
狩猟採集民はどうか
でも書いたが狩猟採集民の移動距離は男性12km、女性9kmである。
これは一日の移動距離だが、当然走り続けているわけではないだろう。
途中歩いていることもあれば、止まったり横に走ることもあるかもしれない。
怪我をして休んでほとんど動かない日もあるだろうし、毎日全員が仕事として狩猟や採集に勤しんでいるとも思えない。
これは合理的な予測でしかないが、ある程度は交代制で狩猟採集を行っているだろうし、肉が日々腐るような発達していない保存方法しか持っていないことはないはずだ。
週5日として、男性で週60km、女性なら週45kmということになる。
月240km、180kmのペースだ。
現代人はどうか。一日一万歩とは?
ググれば何でも出てくる時代、平均的な現代人は8000歩くらい歩くそうだ(平成9年)。距離にすると5~6km。
しかし、万歩計が流行った時期につけていた人ならわかると思うが、10000歩歩こうと思うと丸一日歩き続けてやっと到達する水準である。
人間の歩くスピードは大体時速5kmと言われているので一時間半も歩き続ければいいわけで、駅から会社まで徒歩15分、自宅から駅まで15分なら往復で1時間は確保できてそうだが、実際に歩いてみると結構遠く、普通はバスや自転車を使うべき距離だろう。
有名な健康のために一日一万歩歩きましょうというのは、大体7km歩きなさいということだ。
30日×7km歩けば210kmに到達し、これは推測した狩猟採集民の移動距離に非常に近いと言える。女性に至っては狩猟採集民もびっくりの距離かもしれない。
確かに、一日一万歩というのは理にかなっているのかもしれない。
そんなに歩けるか
まず毎日そんなに歩く時間を確保するのは難しい。
そもそもそんなに暇じゃないかもしれないし、健康のためとはいえあまりにも退屈過ぎる。
また、歩くのは低強度の運動で怪我のリスクは低いと言えるが、狩猟採集民は走る割合のほうが高いのではないか。
やはりランニング
有酸素運動は体内のBCAAや糖類が枯渇し、筋分解を行って筋肉の生成には悪影響だと言われるが、
慢性的な運動不足と心肺機能の低下から逃げ腰になっている人間の言い訳になっている気もする。
そんなことはベンチプレスで100kg超えてから考えればいいだろう。
走りすぎは悪影響というのもまた真実
マラソンランナーで自己ベスト更新を狙うような人は月300km走るのが目安だというが、研究によると月間走行距離が200kmを超えるのはよくないらしい。
特に低テストステロンを招くのであらゆる機能障害の原因となる。
テストステロン増加という方向から考えると月100km程度が良いらしい。
ただ、40~50代という研究対象の年齢と回復力にもよるだろうし、
個人の感覚に任せるしかない。
個人的なランニングの感覚
ずっとスポーツ自体には触れてきたものの、全国大会を目指すような高い目標を掲げたことはなかった。平均的よりは少し運動をしてきたとは思う。
昨年の12月からランニングを試してみて、まったく走っていなかった状態だと1.5km走って大満足という感じ。
これは走れた頃の動きとペースがミスマッチしているオーバーペースだったのだと思う。
ある程度慣れてきて、昨年末にはほぼ毎日、週5日くらい3km~4km走る習慣がついていた。この頃が一番運動の効果を実感していたと思う。
特に肌やメンタル面、日常的な体力で改善が見られた。
今年に入ってからしばらくは多くても5km程度を時速11~12km程度のペースで走っていたが、短いコースの往復だったのもあり、長距離を走る気にはならず。
一月の後半には公営のランニングコースに出て、7~8kmを走るようになった。ペースは時速12km(キロ5分くらい)。
今月に入ってからは長距離を走るようになり、時速11kmで13km程度を走っているが、心肺機能としては余裕があるものの、遅筋が弱く、フォームが崩れて間接に負担がかかっているようにも思う。
翌日はまだきつさが残っており、これを毎日やって月300kmを超えるようになると当然怪我するだろうなというのは感じる。
adidas runningでは正確なGPSで走行距離を知ることができる。
スマホなので持ち歩く面倒さがあることや、操作に取り出すのが面倒で一時停止をしなくなるので速度や時間は大まかなものになるが、消費カロリーなども勝手に記録してくれるのは面白い。
感触的にはやはりこのペースで走って月100kmなら、現状その程度が限界だろう。
ただ走ることを初めて2か月しか経っていないものの、すでにハーフマラソンくらいなら2時間ちょっとで完走できるだろうなというのは感じる。
走る前の栄養補給
5km程度では何も感じないが、8kmを超えた時点ではエネルギー不足を感じる。
運動前にBCAAを10gとマルトデキストリンを20g80kcal摂るようにしている。
13kmでも800kcal消費するらしく、筋肉がエネルギー不足に陥っているのは間違いないが、
アミノ酸不足でmTORという遺伝子が活性化するとアンチエイジングにも効果が期待できるという話もあるのでそちらも別記する予定。
ブログの方針
プロフィール
30歳前後・男性
人生で大切なものは健康であり、十分な資金であり、時間であり、知識であり、愛である。
しかしすべての土台は精神も肉体も健康であることであり、健康の土台なくしては人生の充実を得ることは難しい。
真の健康とは何か。
それは自分自身が十万年以上前から存在しているホモサピエンスという一種の動物であることを理解し、
人類間で爆発的に広がった農業革命(新石器革命ともいう)はわずか一万年程度以前のことであることを念頭に置いて行動することである。
人間が農業によって定住しなければならなくなったのがわずか1万年前であり、人間の精神と肉体は農耕に適応していない。
特に以下の点において重要である。
- 農耕により人間は「明日」「来季(収穫期)」「来年(雨季か乾期か)」といったことを考えなければならなくなった。
- 「資産の蓄え」を生み出し、富の格差と集中を生んだ。
- 定住の必要性とそれによる疫病の蔓延と飢餓をあたえた
- 毎年の出産を可能にし、人口が増加した
- 栄養素は小麦など穀物から得られる炭水化物に偏った
- 普段生活をともにするのは数十人だったのがムラを形成し、都市を形成した。
これらは農業革命以降我々の生活に入り込んだものであり、現代人の我々にとって「異物」であるということだ。
もちろん農業革命による経済化とも言える動きは現代社会にとって大いに貢献している。
しかし、我々が当然のように享受している奇麗な水や簡単に手に入る「カロリー」、医療などはこの数十年から百年程度で実現したものであり、人類は一万年に渡って苦痛の生活を強いられていたことは想像に難くない。
人間に適応した狩猟採集生活では、一日の労働時間は午前中の数時間、移動距離は男性で12km、女性で9km。
主な仕事は男性は狩猟だが、これは生活を支えるものではない。むしろ女性の採集による植物性のエネルギー(果実、穀物、植物の根、昆虫など)が生活を支えている。
男性の狩猟は成功率が極めて低く、大型の獲物を得ることは稀である。しかし、小さな獲物をコンスタントに獲ってくる男性より、大きな獲物を稀に獲るギャンブラー的な男性のほうが集団内での地位や人気を獲得する傾向にある。
睡眠時間は6時間程度という研究があり、寝るのは日没から数時間経ってから。起きるのは日の出あたりで、これは気温と体温が関係しているそうだ。
つまり気温とともに体温が上がってくると目が覚めるようになっている。
「未来」という概念はない。
人間は3次元的な世界に生きており、そもそも時間を知覚することはできない。
人間社会でいう時間とは、天体の規則的な動きか、動物の時間による老化、あるいは気温の規則的な変化であり、時間というものは存在しない。
簡単な思考実験ではあるが、老いず、腹が減らず、太陽も星もなく、気温も変動せず、一定のスピードで動く物体もない空間では時間を感じることは全く不可能である。
一応実験で、ある女性が完全な洞窟のなかで過ごした時、40時間起きていたこともあったという。日光によるビタミンD生成ができず大変だったそうだが。
時間を気にするようになったのは人間が農耕をはじめて、季節による耕作や、来年豊作か不作かわからない不確実性を経験するようになったためだ。
これが「漠然とした不安」の正体であり、当然人間は未来を知覚するようにできてないのに無理矢理考えようとするため得られる感情である。
普段生活する小集団は30人~50人、所属する部族で数百人。さらに大きな集団もいるが普段からかかわりは薄い。
つまり、人間が知覚できる人間はせいぜい30~50人の親しい集団だということだ。それを超えるとパンクする。
かといって、今更狩猟採集社会に戻れというわけではない。
そんなことをしたら死ぬ。
現代医療が数千円で治す怪我で死ぬか、風邪で死ぬか、そもそも先代の知識の継承がないために死ぬ。
そうでなくても非常に過酷な側面があるのは違いない。
例えばある現代の狩猟採集民は老人を合法的に排除する。
しかし、自身が現代社会に適応していないことを知る点において重要だ。
摂取カロリー超過、過労、SNSなどで気に留める人間の増加、慢性的な運動不足。
すべての人間が何らかの問題を抱えていると言っていい。
これらを学び改善するだけで自身のパフォーマンスを著しく改善できるのではないかという話。
漠然とした壮大な話だが、ブログには進化人類学のような話のアウトプット、簡単な書評。
日々の運動、栄養素に関することを中心にしていく。
あとは金策に関すること。